ボッチャ(Boccia)

どんな競技?

ジャックボール(白いボール)と呼ばれる目標に向けて投げ、いかに近い位置に自分のボールをキープできるかを競います。
個人戦・ペア戦・チーム戦の3つがあります。
「ボッチャ」とは、イタリア語でボールという意味。
白いジャックボール(目標球)1個と赤・青それぞれ6個ずつのボールを使います。白いボールに一番近いのは赤か青か?それで勝負が決まります。

競技の概要

「ボッチャ」は重度障がい者の為に、ヨーロッパで考案されたパラリンピックの正式種目です。
障がいの種類や程度によって4クラスに分かれ順位を競います。
BC1クラスとBC2クラスが個人戦とチーム戦、BC3クラスとBC4クラスが個人戦とペア戦の種目が行われます。

試合の流れ

先攻側がジャックボール(白)を投げ、続けて1投目の投球を行います。(第1エンドは、常に赤ボールが先攻です。)
次に後攻側が最初の投球を行います。
どちらの球がジャックボールに近いかを見ます。
これから後は、ジャックボールからより遠い側の選手が投球を行います。
赤、青ともに6球ずつを投げた時点で得点を計算します。

得点の計算

両者6球ずつ投げ終わった時点で、ジャックボールに最も近い
位置にボールがある側にだけ得点が入ります。たとえば、
ジャックボール(白)に一番近いのが青ボールだった場合、
相手の6個の赤ボールのうち白に一番近いものの内側にある
青ボールの数を数えて、1個につき1点が与えられます。
(写真の場合、青が3点です。)

​この一連の流れを1エンドとし、個人戦とペア戦は4エンド、団体戦は6エンドを行います。
そして、すべてのエンドの得点を合計して、勝敗が決まります。

なるほどルール

障がいに応じて補助具が使える

自力で投球ができない最重度の選手は、「ランプ」という勾配具を使い、ボールを転がすことで投球を行います。
投球の方法は、障がいに応じ、投げる、ランプで転がす、足で蹴るの3つがあります。

選手とともに戦うアシスタントがいる

ランプを使用する選手にはランプの調整や設置などを行うアシスタントが、ボールを足で蹴る選手には車いすの位置調整やボール設置の補助などを行うアシスタントが付き、選手たちが最大限に実力を発揮できるようサポートします。

ここがおもしろい!

的の位置が固定ではない

試合の駆引きは、最初にジャックボールを投げるところから始まります。自分の球を寄せ易くするため近い位置に投げるのもよし、長距離の投球が苦手な相手と見たら遠い位置に投げるのもよし…。
また、試合の途中でも自分の球をジャックボールにぶつけて的の位置を変えることができます。

いかに相手より多く球数を残すか

相手にできるだけボールを消費させて残りの球数を少なくさせると、相手が仕掛けられる戦術の幅が狭くなります。
つまり、序盤に正確な投球をして、自分のボールをジャックボールにピタリと寄せておけば、相手はその後何球も続けて投球することになり、球数を多く残しているこちら側が有利になります。

(参考文献)
『障がいのある人のスポーツ指導教本(初級・中級)2020年改訂カリキュラム対応』 
ぎょうせい 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会編 2020年  
公益財団法人日本パラスポーツ協会、日本パラリンピック委員会のホームページから抜粋して引用しています。