どんな競技?
視覚障がいのある選手が行う競技です。
以前は盲人野球といっていたスポーツで、グランドソフトボールの競技規則にない部分のみをソフトボールのルールで準用しています。
ボールは、ハンドボールの球(公認球)を使用します。打撃はバットを使いますが、守備にグラブは用いません。1チーム10人で競技し、男女の区分はありません。
投手は、捕手の手ばたき(サイン)を頼りにホームベースに向けて投球します。打者は、一般のソフトボールと同じように、打った後、1塁、2塁、3塁、ホームベースの順に走塁し、ホームインすると得点になります。安全のため、守備用ベースと走塁用ベースは分けられています。
競技の概要
チーム編成
1チームは10人で、外野手が1人多くなっています。一般のソフトボールにはない「右遊撃手(ライトショート)」がいます。
全盲選手が4人、弱視選手が6人で、投手は全盲、捕手は弱視、左遊撃手(レフトショート)は弱視、右遊撃手は全盲と定められています。全盲選手はアイシェードを着用します。
試合の手順
- 1回の攻撃は3アウトでチェンジ、試合は7回までです。
- 全盲の投手が捕手の手ばたきの音を頼りに、アンダーハンドでボールをバウンドさせながら投球します。ストライクとボールがあるので、コントロールが求められます。
- フェアボールを打った打者は、各塁にいるコーチャーの声を頼りに走塁します。走者がホームインするごとに1点になります。
- 打者が、空振りした場合やストライクゾーンに来た球を見逃した場合は、ストライクとなります。3ストライクでアウトです。
- 打者が打った球を、たとえゴロであっても全盲の野手が捕球すれば、打者はアウトになります。
全盲打者のストライクゾーンは狭い
ホームベース上をボールが通過すればストライクであることは一般のソフトボールと同様ですが、高さについては、打者が弱視か全盲かによって異なります。弱視打者の場合は脇の下からホームベースまでOKですが、全盲打者の場合は、ベースの上方をボールの下端がボール半径(9.2~9.6㎝)までの高さで、低く通過しないとストライクになりません。
投球はバウンドさせる
投手が投げる球は、本塁ベースに到達するまでに3回以上バウンドさせなくてはなりません。
変化球で攻める
投手によっては、ストレート、カーブ、シュートなどを投げ分けます。変化球と豪速球を武器に、晴眼の選手でも三振してしまうようなボールを投げる選手がいます。
障がいを感じさせない好走塁
走塁用ベースは、守備用ベースの外側2メートルに設けられています。それぞれの走塁ベースにはコーチャーがいて手ばたきと掛け声で走者の誘導をします。走者はコーチャーの発する音を頼りに、全力で塁間を駆け、障がいを感じさせない好走塁をします。
(参考文献)
『障がいのある人のスポーツ指導教本(初級・中級)2020年改訂カリキュラム対応』
ぎょうせい 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会編 2020年
『全国障害者スポーツ大会競技規則集』 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 2020年
また、全日本グランドソフトボール連盟のホームページから抜粋して引用しています。