サウンドテーブルテニス(Sound table tennis)

どんな競技?

視覚障がいのある選手が行う卓球競技です。 
使用するボールには金属球が入っており、転がると音がします。
ボールはネットを超えてコートを行き交うのではなく、ネットと台(テーブル)の間の4.2㎝のすき間を通って、転がりながらコートを行き来します。
ラケットは、ラバーのはられていない木製のものを使用します。
選手はアイマスクやアイシェードを装着し、ボールが転がる音を頼りに競技をします。

競技の概要

用具

テーブルは一般の卓球台と同じ大きさです。
テーブルの端には高さ1.5cmのエンドフレームが、またテーブルの両サイドには、エンドからネットに向け60cmの長さのサイドフレームが取り付けられていて、転がったボールがテーブルから落下しないようになっています。
ボールは、直径4.0cm~4.06cmの球体で、中に金属球4個が入っています。
ラケットは木製で、打球時に音がするよう、ラバーははられていません。

試合の流れ

主審の「プレー」の宣告がされた後、10秒以内にサーバーが「いきます」と言い、それから5秒以内にレシーバーが「はい」と応えます。「はい」の声から5秒以内にサーバーがサービスをします。サービスは、テーブル上に静止させたボールを打って転がします。
レシーバーは、音を頼りにボールを打ち返します。打ち返したボールが、相手のラケットに触れる前に相手の守備コート内で停止するか、相手選手のラケットをかわしてエンドフレームの内側面に触れる(あたる)と、レシーバーの得点になります。
打ち返したボールが跳ねてアウトになるなど正しくレシーブできなかった場合は、相手の得点になります。また、反則を犯した場合は、相手の得点になります。
1ゲームは、11ポイント先取。1マッチは5ゲームからなり、3ゲーム先取した側が勝ちとなります。

なるほどルール

音をたてて打たないと反則

打球時はすべて、打球音が聞こえるように打たなければ、「ホールディング」という反則になります。
また、ラケットの角度がテーブル面に対して60度未満の角度で打った場合も、打球音を出せないものと判断しホールディング。
さらに、ラケットでテーブルやフレームをたたいたりこすったりして打球音を消した場合もホールディングになります。

2回打ってはいけない

ボールを2回以上続けて打った(ラケットにあてた)ときは、「ダブルヒット」という反則になります。

ここがすごい!

余裕はたった2mm

ネットとテーブルとの間のすき間は4.2㎝。
それに対してボールの直径は4㎝。ボールが少しでも浮くと、ネットに引っかかってしまいます。
余裕は、たったの2mmです。
視覚にまったく頼らず、狙った位置に正確にボールを転がす、驚異的な集中力が求められます。
試合会場に張り詰めた緊張感。応援する人たちも、静寂の中でボールの動きを見守ります。

(参考文献)
『障がいのある人のスポーツ指導教本(初級・中級)2020年改訂カリキュラム対応』 
ぎょうせい 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会編 2020年
『全国障害者スポーツ大会競技規則集』 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 2020年