アーチェリー(Archery)

どんな競技?

離れた的に向かって矢を放ち、得点を競う競技です。

ルールは、一般のアーチェリー競技規則に準じていますが、障がいの種類や程度に応じて一部ルールを変更したり、用具を工夫したりすることが認められています。

一般的な弓であるリカーブボウと先端に滑車がついていて小さい力でも引くことができるコンパウンドボウの2種類の弓が使用されます。

下肢に障がいがある選手は車いす又は椅子を使用し座った姿勢で、また、下肢に障がいがないか障がいが軽い選手は立って競技をします。

競技の概要

得点

的には同心円が描かれており、一番中心が10点、外へ離れるに従って9点、8点、7点と下がっていきます。72射して、矢が当たった位置の点数を合計します。(720点満点)

全国障害者スポーツ大会

競技種目は、男女とも次のとおりです。それぞれリカーブ部門とコンパウンド部門があります。
50・30mラウンド
50m、30mの各距離から1エンド3射で36射ずつ行射します。
30mダブルラウンド
30mの距離からの1エンド3射で合計36射の行射を2回行います。

パラリンピック

次の3つの個人種目に加えチーム種目があります。
リカーブオープン
70m先の直径122㎝の的を狙い行射します。
コンパウンドオープン
50m先の直径80㎝の的を狙い行射します。
W1オープン
50m先の直径80㎝の的を狙い行射します。(W1は、体幹が効かない車いす使用の選手が出場するクラスです。)

なるほどルール

座って射てもいいが、自分の身体だけで弓を支えなければならない

座位の選手は、車いす又は椅子に座って矢を射まますが、行射中は、弓を持つ手も弓も車いす等で支えてはいけませし、弓のストリング(弦)が車いす等に触れてもいけません。選手は、自分の身体だけで弓を支えなければならないのです。

アシスタントが認められる

特別な事情のある競技者(障害区分1)には、移動等の補助のためのアシスタントが認められます。

ここがすごい!

障がいに合わせた射ち方がある

世界には、両腕欠損の障がいがあっても、アーチェリー競技をしている選手がいます。米国のマット・スタッツマン選手は、矢を足の指ではさんで弓にセットし、肩口のリリーサーという器具にストリング(弦)を引っ掛けて、足で弓を前に押し出すことで引き絞り、矢を放ちます。

2012年のロンドンパラリンピックの頃には手に障がいのある選手の間では口で射るスタイルが主流でしたが、歯や顎を痛めやすいことから、現在は肩にリリーサーをつけて顔の横で射つスタイルが主流になってきています。

(参考文献)
『障がいのある人のスポーツ指導教本(初級・中級)2020年改訂カリキュラム対応』 
ぎょうせい 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会編 2020年
『全国障害者スポーツ大会競技規則集』公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 2020年
また、公益財団法人日本パラスポーツ協会、日本パラリンピック委員会のホームページから抜粋して引用しています。