どんな競技?
一般の陸上競技と同じトラックやフィールドで行われます。
競争種目、跳躍種目、投てき種目の3種類があります。大会では、100分の1秒、1cmの差が勝敗を分けます。
競争種目:50m、100m、200m、400m競争、スラローム等
跳躍種目:走高跳、走幅跳、立幅跳等
投てき種目:砲丸投、ジャベリックスロー、ソフトボール投、ビーンバッグ投、やり投等
※大会によって種目に違いがあります。一般的な陸上競技のルールと大きな違いはありませんが、障がいの特性やケガへの配慮から、ルールを一部変更しています。
競技の概要
障がいの種類や程度ごとに「クラス分け」が行われ、男女別に同程度の競技能力を持った選手同士で、順位が競われます。一般的な陸上競技との違いとして、障がいがあっても競技ができるよう、
- 「やり投」に代えてターボジャブを投げる「ジャベリックスロー」
- 大豆などを入れたビーンバッグという袋を投げる「ビーンバッグ投」
- 車いすで旗門を正確に通過しゴールするまでの時間を競う「スラローム」
などの種目が取り入れられています。
用具の工夫
障がいがあっても高いパフォーマンスが引き出される用具が工夫されています。
義手
スタートや走る際の補助の役割があります。
義足
板を曲げた形状をしていて、地面を蹴ると反発力が強く、前への推進力となります。
競技用車いす「レーサー」
軽量でスピードが出る構造です。
スタートシグナル
聴覚障がいの選手に光でスタートの合図を送ります。
選手の目となる「ガイドライナー」
競争競技では、視覚障がいがある選手に「ガイドランナー」と呼ばれる伴走者が認められます。
ガイドランナーは、選手とひもを握り合い、声をかけたりしながら選手を誘導します。また、走幅跳などでは、方向や踏切位置を声で知らせる「コーラー」が認められます。
足で“投げる”
ビーンバッグ投は車いすの選手が行う競技です。投げ方は自由。足に載せて蹴り出すこともできます。
ハイレベルな記録
2019年に岐阜県で行われた障害者陸上のジャパンパラ大会男子走幅跳(義足T64)で又吉康十選手が出した日本記録は、6メートル33。世界記録は、この大会にも出場したドイツのマルクス・レーム選手が前年に出した8メートル48です。2019年時点での健常者の日本記録は、城山正太郎選手が持つ8メートル40。それと比べてみても、パラアスリートの記録はハイレベルです。
選手層が広い
陸上競技に出場している選手の層は、たいへん幅広くなっています。障がいに応じ多くのクラス分けがなされていることはもちろんですが、年齢層も広く、2019年の全国障害者スポーツ大会にエントリーした長野県選手は、最年少が16歳、最年長が68歳となっています。
多くの人がそれぞれの目的をもって競技に参加しています。
(参考文献)
『障がいのある人のスポーツ指導教本(初級・中級)2020年改訂カリキュラム対応』
ぎょうせい 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会編 2020年
『全国障害者スポーツ大会競技規則集』 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会 2020年
また、公益財団法人日本パラスポーツ協会、日本パラリンピック委員会のホームページから抜粋して引用しています。